日本は世界で唯一の被爆国であったり、福島での原発事故があったり、放射線って怖いなあ~と感じる人も多いのではないでしょうか?
でも実際放射線ってなんだろう?って思う方もいると思います。学校での授業で原爆の悲惨さを学ぶことは多くても、放射線について詳しく学ぶ機会はあまり多くないですよね。放射線をしっかり学ぼうとすると高校・大学レベルの授業になってしまうため、小学校や中学校で学ぶには少し難しいです。
私は仕事の関係で第2種放射線取扱主任者に資格を取りました。勉強するにあたって、放射線が身近なところにあることを初めて知りました。これは私にとってびっくりすることでした。放射線が完全に悪者だと思っていましたが、けっしてそうではないことも学べました。ぜひ放射線を変に怖がらず正しく理解してもらいたいです。
まず放射線ってなんでしょう?
簡単にイメージするならビームです。
アルファ線、ベータ線、ガンマ線とか様々な目に見えないビームがあると思うとイメージが湧くかもしれません。
このビームは物質を構成している原子(小さいツブ)が壊れたり、合体したり不安定なときに出ます。
ビームは人間の目には見えません。ゴジラの放射熱線みたいに熱いイメージがあるかもしれませんが、炎ではないので死んでしまう量の放射線でも熱さはあまり感じない、むしろ気がつかないことの方が多いかもしれません。
放射線は熱くもなく目に見えない特殊なビームです。
放射線は危ないの?
先ほど死んでしまう量と言いましたが、たくさん浴びると危険です。
放射線怖い!危ない!とイメージするのはたくさん浴びると生物は死んでしまうからだと思います。
なんで死んでしまうのでしょう?熱で黒こげにはなりません。じゃ~毒によって中毒死?いえ放射線は毒ではありません。病原菌でもないので近くに被爆した人がいても感染したりしません。
正解は生き物の細胞を壊してしまうからです。
カラダを作っている細胞は集まっていろんな機能を発揮します。
血を作ったり、心臓を動かしたり、食べた物の栄養を吸収したりしています。
その細胞が1つや2つ壊れたくらいでは影響はありませんが、たくさん壊れてしまったら動かなくなってしまいます。放射線はその大事な細胞を壊してしまう力があるため、いっぱい浴びると死んでしまう恐れがあります。
実は放射線は身近にある
やっぱり放射線っていうビームは怖いな~放射線がないところで暮らしたいな~と思った人もいるかもしれません。しかし残念なことに放射線がないところは地球上には存在しません。今あなたのまわりに放射線はたくさん飛んでいます。
最初にお話しましたが、放射線というビームは原子という小さい粒が壊れたときに出ます。原子はあなたのカラダを作っている材料です。机もイスも原子でできています。すべての目に見えるものは原子でできています。
でも自分のカラダもイスも机も全然壊れていないし、大丈夫だよ!っと思うかもしれません。しかし全ての物は少しづつ崩壊しているので放射線を出しています。
すごい少ない量なので影響がないだけなのです。
よくニュースで「100ベクレルの放射線が検出されました」とか聞くときはないでしょうか?うわ~100ベクレルって怖いな~と思うかもしれません。
もしそうなら驚くかもしれません。なぜなら1人の大人を検査してみたら、
なんと約3000ベクレルもあるからです。
???意味がわからないかと思います。
ベクレルという単位は1秒間に原子のツブがいくつ壊れたかを測定している単位です。なので先ほどの100ベクレルっていうのは1秒間に100個原子が壊れているのを測定したわけです。
原子が壊れる!?そうですね。原子が壊れると放射線ができますよね。
よって大人は1秒間にカラダを作っている原子が約3000個壊れて、約3000発のビームが出ているということになります。
カラダの中で1秒間に3000発もビームを浴びたらカラダが壊れそうと思うかもしれませんが、そのくらいでは再生してしまうので全然へっちゃらなのです。
まとめ
放射線について少しわかっていただけたでしょうか?
放射線も少しなら普通に身近に存在しています。いっぱいあると怖いけど少しなら怖くありません。それでも怖いと思ったら醤油を考えてみてください。餃子とか食べるときに醤油をかけませんか?でもいっぱい醤油をかけて、いっぱい醤油を飲んでしまったら腎臓病になって死んでしまいますよね。。
物事は正しく理解して判断することが重要です。少し考え方を変えてみると違った物の見方ができますね。
今回は簡単に放射線について説明しました。
また機会がありましたらお話していきたいと思います。
※参考文献
わかりやすい第2種放射線取扱 主任者 合格テキスト