『賭博黙示録カイジ』という福本伸行氏の漫画はとてもためになる作品です。独特な言い回し方とぶっ飛んだ設定でギャンブルばかりする男臭い漫画かと思われますが、心に訴えるシーンがたくさんあります。
特にこれから就活する人や社会人になろうとしている人、またいつも上手くいかない人はぜひ読んでもらいたい作品です。
世間は母親ではない
まず主人公のカイジという男は典型的なダメ男です。よく高校で進学か就職か悩む時期に「おれはフリーターで自由にやるぜ」と目的もなくぷらぷら遊び呆けてる人がいますよね。カイジもまさにそんな感じ、しかも友人の借金の保証人になったせいで、借金を背負います。
不用意に借金の保証人になるところから甘いですよね。世の中はちゃんと確認しないと騙されます。痛い目をみてもコツコツ頑張っていけばいいかもしれませんが、カイジは一発逆転のギャンブルの世界へ足を踏み入れていきます。
借金は更に膨れ上がり、望む望まずも関係なく命を賭けたギャンブルに挑戦することになります。そんな状況になり、カイジと同じく重度の債務者達は「待ってくれ!」「助けてくれ!」「どうしたらいい?」と混乱状態になります。
しかし
「世間はおまえ達の母親ではない」
と一蹴されます。
社会に出たらもう甘えは効かない。
わからないことがあっても親切にお世話して教えてくれることなんてない。すでに社会に出て長年働いている人は当たり前だろうと思うかもしれないが、困ったら誰か助けてくれると無意識に思っている人は意外と多いです。この作品はそんな社会のルールを教えてくれます。
勝つべくして勝つ
主人公のカイジは限界ギリギリまで追い詰められますが、機転を働かせて生還します。この作品は運任せで勝つのではなく、用意周到に準備して考えて確実に勝ちにいくところに魅力があります。
これは世の中でも共通のことだと思います。典型的なダメなパターンは後先考えずイメージだけで行動してしまうところにあると思います。
例えるなら今流行りの仮想通貨もそうだと思います。ネットや知人の不確かな情報がいつの間にか自分の中で真実になってしまい、必ず価格が上がると信じ込んで全財産賭けてしまう人すらいます。現実をよく調べなかったせいで、暴落したり取引所から通貨が盗まれたりして大損する。
それじゃ〜勝てませんよね。
カイジのすごいところは、理由を明確にできる力があるところです。なぜそうなるのか?を追求できるんですよね。
ギャンブルでも仕事でもスポーツでもみんな共通しています。負ける人は理由がないんです。勝つ理由がないんです。
この作品は勝つための明確な理由の大切さを教えてくれます。
カッコ悪いがカッコ良い!
主人公のカイジはすごくカッコ悪いです。基本的にクズ人間なので借金がなくなっても真面目に働いたりしません。もちろん見た目も全然カッコ良くないです。映画の藤原竜也氏はカッコ良すぎです(笑
でも藤原竜也氏はカイジをすごく再現できていました。それはどんなにボロボロでも勝ちにいくところです。泣いても喚いても心の底から勝ちにいく。苦しいのは自業自得なのに見てるこっちも引き込まれるから不思議です。
自分もカッコ悪くてもいいから必死で頑張ろうと思えてきます。漫画も映画も素晴らしい作品です。
カイジになる前に
そのうちなんとかなる。いつかやってみようという発想は危険です。チャンスは待ってくれません。
カイジみたいに極限状態まで追い詰められて、大逆転を起こして生還するのは漫画でしかあり得ません。
ここで漫画の一文を拝借すると
「一生迷っていろ!そして失い続けるんだ貴重な機会(チャンス)を!」
本当に心に染みる作品です。
自分のようなダメ人間には痛いくらい響きます。とにかく勝つべくして勝てるように理由を考えながら将来生き残れるように頑張っていきたいです!
世間は母親ではありませんから・・
うーん!厳しい!!