フィギュアスケートのグランプリシリーズ(GPS)のアサイン(出場者)が発表になりました。
ルールが大幅に改正されてから初めてのGPSになります。どんな影響があるか未知数です。各6大会で獲得したポイントの上位6名がグランプリファイナルに出場者できます。やはり重要なのは対戦カードでしょう!今年はどんなドラマが起きるのか男女別に注目してみました。また日本スケート連盟の闇(?)などをこっそり考察していきたいと思います。
男子シングルの各大会について
五輪が終わったばかりのシーズンなので引退した選手や出場しない選手も多いです。特にハビエルフェルナンデス選手とパトリックチャン選手がいないという影響は大きいです。各大会の注目の対戦カードについてまとめてみました。
アメリカ杯
日本選手は出場しませんが、GPSの初戦になるので注目が高まります。特に新ルールがどのように影響するか気になります。注目は以下の選手でしょう。
4回転ジャンパー
・ネイサン選手(アメリカ)
・ヴィンセント選手(アメリカ)
熟練のスケーティング
・ヴォロノフ選手(ロシア)
・ビチェンコ選手(イスラエル)
どちらに軍配が上がるかによって北京に向けての戦略は大きく変わります。新ルールにより4回転ジャンプは前より得点が伸びにくくなるのではと予想されます。
カナダ杯
出場選手 : 宇野昌磨・友野一希
オーサー組の選手
・チェジュンファン(韓)
・ジェイソンブラウン(アメリカ)
平昌五輪銀メダリストの宇野選手と昨年のシンデレラボーイの友野選手!宇野選手の圧倒的な強さは今季も健在か!?そして友野選手は更にレベルアップしているのか注目です!
宇野選手らにぶつかるのは羽生結弦選手と同じコーチであるブライアン・オーサーの元で練習するチームメイトです。韓国のチェジュンファン選手は成長期がそろそろ終わり本格的にジャンプを飛び始めると予想されます。4年後の北京に向けてジュニア時代からオーサー氏の指導を受けている秘蔵っ子です。
そして驚くポイントはジェイソンブラウン選手です!オーサー氏にコーチを変更しました!4回転はあまり飛ばないけど、魅力的なスケーティングを持つ人気の選手です!はたしてコーチ変更でどのような変化があるのかすごく気になります!
フィンランド杯
出場選手:羽生結弦・田中刑事
注目選手
・ボーヤン・ジン(中国)
・ミハイル・コリヤダ(ロシア)
・オレクシイ・ビチェンコ(イスラエル)
フィギュアスケートの生きる伝説である羽生選手のGPS初戦です。それだけで大注目でしょう!今年はどんな演技を見せてくれるのでしょうか?田中刑事選手の飛躍にも期待です。
対抗馬は平昌五輪組である3名です。特に注目はボーヤン選手です!なんとボーヤン選手も羽生選手と同じコーチの元で練習しています。4回転時代を作ったボーヤン選手に羽生選手のスケーティング技術まで身についたら最強ですね。はたしてどのような変化があるのか世界が注目です!
NHK杯
出場選手:宇野昌磨・佐藤洸彬・他1人
注目選手
・ケヴィン・レイノルズ(カナダ)
・セルゲイ・ヴォロノフ(ロシア)
・ヴィンセントジョウ(アメリカ)
気になるのはやはりあと1人の日本人選手は誰が出場するのか?ということでしょう。日野選手か?須本選手か?後述で検証したいと思います。
NHK杯に羽生選手が出場しないというのが少し驚きました。いつもなら羽生選手がエントリーするはずなのですが、少し気になるところです。
佐藤選手はNHK杯のみの出場になります!今年はどんな演技を見せてくれるでしょうか。
また気になるのはケヴィン選手です。引退すると聞いていましたが撤回したのでしょうか?綺麗なスケーティングをするケヴィン選手は新ルールでは有利かもしれませんね。ただ4回転ジャンパーなのでミスをすると得点は大きく下がるデメリットもあります。
ロシア杯
出場選手:羽生結弦・友野一希
注目選手
・ミハイル・コリヤダ
羽生選手の2戦目です。羽生選手と争うのはコリヤダ選手でしょう。どちらに軍配が上がるのか?注目です。そして友野選手は表彰台を狙いたいところですね。
羽生選手が苦戦を強いられるパトリックチャン選手やフェルナンデス選手、ネイサン選手とは今季当たらないですね。対戦カードだけ見れば羽生選手が頭一つ抜けているように見えます。ダークホースが現れるのかもポイントです。
フランス杯
出場選手:田中刑事
注目選手
・ボーヤン・ジン
・ネイサン・チェン
アイスショーを見る限りでは今季のネイサン選手は無敵なのではないかと予想しています。田中選手とボーヤン選手の4回転の成功率が勝敗のカギとなります。現在、ネイサン選手の4回転ジャンプの成功率は間違いなくトップクラスです。
女子シングルの各大会について
出場者枠だけ見れば日本とロシアの2強です。1大会で同じ国の選手は3人までという規定があります。日本とロシアは全ての大会に3人送り込む予定です。選手層の厚さがヤバいですね!そのせいで問題もあるのですが...(後述)
アメリカ杯
出場選手:宮原知子・坂本花織・本田真凜
注目選手
・エレーナ・ラジオノワ(ロシア)
他2名 ロシア選手
もしかしたら日本選手3人で表彰台の独占もありえます。一番の注目は本田真凜選手でしょう!ネイサン選手と同じコーチに変更しているので今住んでいるのはアメリカです。昨年はなかなか勝てなかった本田選手ですが逆襲が始まるのか注目です。
カナダ杯
出場選手:樋口新葉・松田悠良・山下真瑚
注目選手
・エフゲニア・メドベージェワ(ロシア)
・ガブリエル・デールマン(カナダ)
・エリザベート・トゥルシンバエワ(カザフスタン)
世界の注目が集まるのはメドベージェワ選手でしょう!羽生選手と同じコーチに変更しました。技術的なポイントは彼女のルッツジャンプが矯正できたか?ということですね。平昌五輪で金メダルを取れなかった理由はルッツジャンプでしたね。トゥルシンバエワ選手はオーサーコーチからエテリコーチに戻りましたね。ということは確執のあったエテリコーチとメドベージュワ選手が顔を合わせる可能性もあります・・うーん。
日本選手の注目は山下真瑚選手です。シニアデビューでの初めてのGPSになります。表彰台に乗れたらすごいことです。ちょっと気になります!
フィンランド杯
出場選手:本郷理華・坂本花織・白岩優奈
注目選手
・アリーナ・ザギトワ(ロシア)
・カロリーナ・コストナー(イタリア)
・カレン・チェン(アメリカ)
平昌五輪の金メダリストであるザギトワ選手の登場です!はたしてあの驚異的な強さは健在か?15歳という若さで世界の頂点に立ったザギトワ選手でしたが、身長が猛烈に伸びて大人の女性になってきました。五輪後の世界選手権はカラダの成長と調整不足が重なってボロボロでした。ロシア選手は短命というジンクスを覆せるかが注目のポイントです。
コストナー選手は現役続行です!いつも年齢ばかり報道されていますが、熟練のスケーティング技術を持っている世界トップ選手です。日本選手にとってはかなりの強敵になります。
NHK杯
出場選手:宮原知子、三原舞依、他1人(日本人)
注目選手
ガブリエル・デールマン(カナダ)
チェ・ダビン(韓)
エレーナ・ラジオノワ(ロシア)
やはり気になるのはあと1人は誰が選ばれるのか?ということでしょう。本郷選手か白岩選手か紀平選手か・・
後述で考察します。
ロシア杯
出場選手:樋口新葉・松田悠良・山下真瑚
注目選手
・アリーナ・ザギトワ(ロシア)
・グレイシー・ゴールド(アメリカ)
・カレン・チェン(アメリカ)
ザギトワ選手に注目が集まりますが、一番の注目はグレイシーゴールド選手でしょう。昨年はキツイ減量が引き金になって体調を崩してしまい五輪に出場できませんでした。今回エントリーがあるので体調が治って復帰できたのでしょうか?
フランス杯
出場選手:三原舞依・本田真凜・紀平梨花
注目選手
・エフゲニア・メドベージェワ(ロシア)
・カロリーナ・コストナー(イタリア)
注目のカードです。メディアで注目を浴びまくっている本田選手と紀平選手の激突です。こういう言い方はとても失礼ですが、メディア的に言えば新旧ポスト浅田真央ちゃん対決です。
紀平選手にとってフランス杯は死の組です。三原選手も強いですが、メドベージュワ選手とコストナー選手がいます。はたしてトリプルアクセルは決まるのか?大注目です!
日本スケ連の闇!?
日本の女子シングルは大きな問題を抱えています。それは選手層の厚さです!
しかもどの選手も大きな差がなく、みんなオリンピック級の選手です。そんな選手が10人もいるのです。
せっかく才能ある選手がいるのにGPシリーズの枠は18枠しかないため、全員に2試合出場させてあげることができません。
今回の発表で以下の3人選手がまだ1試合しか確定していません。
・本郷理華
・白岩優奈
・紀平梨花
去年に本田真凜選手と本郷理華選手がグランプリシリーズに出られないかも?という記事を書きました。
そのときは「ヤベ!ちょっと言い過ぎたかな?」と思いましたが本郷選手が現実になりそうな勢いです。
世界ランキングだけ見れば本郷選手は余裕で2枠もらえてもおかしくありません。しかし日本の選手層が厚いため、ここでまさかの下克上です。
注目する点は本郷・白岩・紀平選手の3名が自力で出場枠を1つもぎ取っていることです。自国開催であるNHK杯はほぼ無条件で3名の選手を選ぶことができます。しかし他の国での試合に出るためには出場条件をクリアしなくてはなりません。(おおよその基準は世界ランキング24位内or昨年のシーズンランキング24位内です。)
ここで疑問に思うのは世界ランキング17位の本郷理華選手が1枠しか決定していないことです。ランキングで明らかに本郷選手より下位である山下選手と松田選手が2枠ある理由を考えてみると日本スケート連盟の闇が見えてきます。
選手 | 世界ランク | シーズンベスト | 全日本結果 | 年齢 |
---|---|---|---|---|
松田悠良 | 51位 | 23位 | 11位 | 19歳 |
本郷理華 | 17位 | 31位 | 6位 | 21歳 |
山下真瑚 | 55位 | 24位 | 10位 | 15歳 |
ただ山下真瑚選手は当然でしょう!世界ジュニア銅メダルでシーズンベスト24位なので2枠は妥当だと思います。
しかし松田選手と本郷選手の差はどこにあるのかわからないです。どうやって決めたのでしょうか。表を見る限り年齢で決めているのかと疑問に思ってしまいます。
NHK杯の1枠の行方は?
2018年6月29日現在、NHK杯での最後に1枠は決まっていません。はたして誰が選ばれるのか?
男子は須本光希選手が有力です。恐らく今季シニアに上がるかな~勝手に予想しています。もしジュニアに留まるのであれば日野龍樹選手が出場するかもしれません。
※2018.7.1追記
高橋大輔選手が現役復帰を発表!!!
そうなるとNHK杯の最後の1人は高橋大輔選手になるかと思いましたが、1年限定で国際大会には出ないとのこと
さて問題は女子です。分かっているのは本郷選手か白岩選手か紀平選手のうちの誰かであるということだけです。
選手 | 世界ランク | シーズンベスト | 全日本結果 | 年齢 |
---|---|---|---|---|
白岩優奈 | 28位 | 26位 | 9位 | 16歳 |
本郷理華 | 17位 | 31位 | 6位 | 21歳 |
紀平梨花 | 44位 | 27位 | 3位 | 15歳 |
さて上記の表から、あなたなら誰を選ぶでしょうか。。。
本当に残酷です。勝負の世界だから仕方のないことです。
おそらく紀平梨花選手が選ばれるでしょう。理由はトリプルアクセルと決まったときの爆発力、そしてメディア露出度ですね。
筆者も賛成ですが、今まで第一線で戦ってきた本郷選手を思うと複雑な気持ちです。
ただ紀平選手もチャンスは今年だけです。もし成績が悪い場合は下剋上されます。
女子は本当にハードな戦いです。
本田選手・松田選手・山下選手・本郷選手・白岩選手・紀平選手は今年頑張らないと来年のグランプリシリーズに出られない可能性が大きいです。
逆を言えば、宮原選手・坂本選手・樋口選手・三原選手は今のところ安全圏にいます。
今年のシンデレラは?
去年のシンデレラは坂本選手と友野選手でした。特に坂本花織選手のシンデレラぶりはヤバかったです!まさか五輪に出場して最終滑走組に入り入賞するなど誰も思わなかったでしょう(笑
彼女は試合に出まくって場数を踏みまくっていましたね。試合毎にどんどんレベルが上がっていきました。まさにサイヤ人みたいでしたね(笑
さて~今年のシンデレラの予想は、須本光希選手・山下真瑚選手・紀平梨花選手かもしれません。須本選手はまだわかりませんが、シニア1年目のルーキーだからですね!
メディアにあまり注目されてないという意味では山下真瑚選手はダークホースかもしれません。昨年の世界ジュニアの演技は圧巻でした!!坂本選手のような大化けする例もあるので個人的に注目しています。
感想・まとめ
女子は毎年新しいルーキーがシニアに上がってきますが、男子は女子と比べると層が薄いのかもしれません。そりゃ~フィギュア人口は圧倒的に女子が多いですからね。心配なのは羽生選手がいつまで現役で競技に参加してくれるかな~って思います。永遠に現役というわけにはいきませんよね。今回のグランプリシリーズのアサインを見ても男子は女子に比べると少ないですもんね。ただ羽生選手と宇野選手という金メダリストと銀メダリストがいますからすごいです(笑
さて2018-2019年シーズンは北京五輪への1年目になります。正直無理して勝たなくてもいいのかな~と思ったりしますが、下剋上されると試合に出場できなくなってしまって選手生命が終わりますよね。北京までの4年間、心が折れずに前へ進むことが何よりも重要かもしれません。
この1年目のシーズンでうまく新ルールに適応したいところですね。男子と女子も4回転ジャンプをどうするのか?という点が課題になると思います。特に女子はみんな4回転サルコウに挑戦してますよね。紀平選手は練習だと4回転トーループとサルコウも飛んだりしているらしいです。成功率が低ければ足を引っ張ることになるのでもろ刃の剣にもなりかねません。
うーん・・ちょっと今季はどうなるか予想がつかないです。分からないからわくわくしますね!