2018年8月フィギュアスケートのアジアンオープントロフィーが開催され、平昌五輪後の新たなシーズンが始まりました。これから北京五輪に向けての4年間がスタートするわけですが、気になるのはやはりルール改正です。
いろいろルールは変わりましたが、一番心配なのは
『11段階評価』です。
今までの7段階評価ですら、ジャッジによってだいぶ違っていたのに11段階になったらどうなってしまうのか?大変心配でした。
はい。。。予想通り。。。酷いことになっていますので紹介したいと思います。
去年と今年の採点表を比較
フィギュアスケートに興味がない人でも採点表を実際に見たらすぐ異変に気がつくレベルです。とりあえず下記の採点表をごらんください。
2017年アジアントロフィーの女子SP採点表⇩⇩⇩
2018年アジアントロフィーの女子SP採点表⇩⇩⇩
2018年より『±5』の評価になるのですが、びっくりするくらい評価がバラバラなのがわかると思います。ジャッジによって1~4くらい平気で違います。前年と比較するとバラつき具合がよくわかります。
ちなみに男子についても同じように評価がバラバラになっています。
2017年アジアントロフィーの男子SP採点表⇩⇩⇩
2018年アジアントロフィーの男子SP採点表⇩⇩⇩
出来栄え(GOE)の評価について
フィギュアスケートはジャッジによって評価が違うというのは一般常識です。ファンも分かっていることです。去年までのルールは『±3』の評価だったので、『+2』もしくは『+3』で迷うくらいの誤差はよくありました。
変なジャッジがいるな~と思っても、みんな『+3』の評価なのに一人だけ『+1』の評価をするジャッジがいるくらいでした。。ミスジャッジをする審判はいたとしてもとても少なかったのです。
7段階から11段階に変わって、去年までは『±1』の誤差だったものが『±2』くらい拡大してしまっている印象です。
『±1』なら最大と最小の差は『2』ですが、『±2』なら『4』も違ってきます。
この差は2回転や3回転ジャンプなら大きくない点数差で済みますが、
4回転ジャンプの場合はこの差は致命的です。
この差を4回転ジャンプで考えた場合、以下のようになります。
4Lz評価『+1』➜12.65点
4Lz評価『+4』➜16.10点
その差 3.45点 も違います
これではジャッジの意味がないのではないでしょうか。。
選手側も混乱するのでは?
選手こそジャッジの評価を気にすると思います。ジャッジの評価が低ければ何が悪かったのか考えますよね。もし逆に評価が良ければ自分の演技に自信が持てると思います。
でもジャッジ全員がバラバラの評価を下したら?
選手は何をどうすればいいのか分からなくなるのではないでしょうか?
この問題を解決するためにはジャッジの質の向上が急務になります。まだルール改正されたばかりなので上手くいっていない可能性もあります。今後のグランプリシリーズに向けてジャッジの修正もおこなわれるかもしれません。
しかし個人的には難しいと考えます。
理由は出来栄え評価要素の改悪です。
去年までは手を上げるタノジャンプやディレイド回転は評価要素だったのですが、ルール改正後にはその項目がなくなりました。そのくらいはまだ大丈夫です。
しかし下記3つの要素を満たさないジャンプは『+4』や『+5』をつけてはいけないことになりました。
1) 高さおよび距離が非常に良い
2) 踏切および着氷が良い
3) 開始から終了まで無駄な力が全く無い
この評価方法が更に状況を悪化させます。どう考えてもジャッジの独断と偏見で変わるでしょう。3つのうち1つでも偏見があれば、他の要素がいくら優れていても評価が伸びないんです。
せめて『3つの要素を満たす』という評価方法は変更した方が個人的にはいいと思います。
にわかファンとしても今後のフィギュアスケートがかなり心配です。
このままでは問題が起こることを予言しておきたいと思います。